1. 青山氏の活動とオンラインコミュニティ「みららぼ」
青山氏は、自身のオンラインコミュニティである「みららぼ」について紹介しました。みららぼは、子どもたちが前に進めるようになるためのソーシャルスキルやコミュニケーション能力を鍛えるワークショップや勉強会を提供するコミュニティです。キャリア教育の一環として、子どもたちが自分のことを自分で考え、行動できるようになるための「気づき」を親子で得られることを目指しています。年間会費は2万円で、毎月セミナーや講座、イベントが開催されます。
2. コミュニケーションワークの成功事例
横浜で開催されたみららぼのコミュニケーションワークには、会員300人の中から募集された40組の親子が参加しました。参加した子どものほとんどは学校に行けていない子どもたちでした。
ワークショップの様子と子どもの変化
ワークショップに連れてこられた子どもたちは、当初親に「騙された」と感じ、不機嫌になったり泣いたりする子もいました。しかし、ワークが始まると、子どもたちは自発的に集まってトランプなどで遊び、ワーク終了時には「またやる」と楽しそうな様子を見せました。コミュニケーションが苦手な子や引っ込み思案な子も、親から離れて他のお父さんお母さんとワークをすることで、自分の意見を表現できるようになりました。帰り際には、朝の不安そうな姿とは対照的に、堂々と力強く歩く姿が見られ、青山氏は感動したと述べています。
親の役割
この経験を通じて、青山氏は、アプローチの仕方を変えれば、子どもたちはこんなにもワクワクと生き生きと活動できると実感したと語っています。
3. 学校に行きたくない子どもへの対応に関する見解の変化
青山氏は、「学校に行きたくない子どもへの対応の仕方」について、自身の考え方の変化を共有しました。
過去と現在の見解
5年前のコロナ禍では「学校に行かなくてもいい」「不登校でもいい」という考えでしたが、現在は「学校に行った方がいい」「学校に行かなくてもいいとは思っていない」という見解に変わっています。学校に行けるのであれば、行った方がマイナスはないと考えています。
親の寛容さへの懸念
親が不登校に対して「学校に行かなくてもいい」という寛容さを示すことは、最初の段階では重要だが、それが「見せかけの寛容さ」となり、本来学校に行けるはずの子どもが行かなくなる可能性を危惧しています。親が不登校という状況からストレスを回避するために、「どうしようもない」と思い込んで慣れてしまうことへの注意を促しています。
対応の柔軟性
親は子どもの状態や状況に合わせて対応を変えていくことが大切であり、学校以外の場所でも社会に出ていくことを促す必要があると強調しています。
4. 基礎学力の保証の重要性
青山氏は、基礎学力の保証が子どもの将来にとって非常に重要であると指摘しています。
読み書き計算の必要性
たとえ「武道」という難しい漢字が読めなくても、「運賃」のような生活に密着した文字が読めないと困るという例を挙げ、病院の問診票の記入や役所の書類の読み書きなど、日常生活における基礎学力の必要性を説いています。
子どもの劣等感
字が読めない、書けないという状況は、小学生でも「恥ずかしい」という感情を引き起こし、それがきっかけで外出を避けたり、人間関係を避けたり、就職を躊躇したりする原因になり得ると述べています。
塾での経験と子どもの葛藤
塾で勉強を教えている際、字が書けない子どもが自分の未熟さを隠しながら勉強する姿を見て、「できるようになりたい」という子どもの葛藤と努力を強く感じたと語っています。不登校の子どもたちも、学校に戻りたいと思っても「勉強についていけない自分」を想像し、ためらうことがあると分析しています。
大人の役割
子どもたちは誰も「できなくてもいい」と諦めていないため、親や大人が安易に「学校に行かなくてもいい」と言ってはいけないと訴えています。
5. 不登校の子どもへの具体的な対応と親の心得(やってはいけないこと)
青山氏は、不登校の子どもへの対応は子どもや親子関係、年齢、不登校の段階によって異なるため一概には言えないとしながらも、「やってはいけないこと」には共通点があるとして、以下の点を挙げました。
- 怒鳴らない、怒らない、不機嫌にならない: 子どもが学校に行かないと言った時に声を荒げて怒ったり、不機嫌になったりすることは、子どもをさらに学校から遠ざける。
- 「なんで学校に行けないの?」と聞かない: 子ども自身も理由が分からないことが多く、特に小学校低学年では言語化が難しい。代わりに「どうしたの?」と聞くことで、子どもは安心すると述べています。
- 正論をぶつけない、友達を持ち出さない: 「受験生なんだから」「勉強が遅れるよ」といった正論や、「友達が待っているよ」「友達が心配しているよ」といった言葉は、子どもにプレッシャーを与え、逆効果になる。特に思春期の子どもは、親の言葉の裏にある「嘘」や「偽りの共感」を見抜くと指摘しています。
- 親が世話を焼きすぎない、真味になりすぎない: 子どもの困らないように先回りし、不安にならないようにと心を「寄り添いすぎる」ことは、子どもの心を弱くし、成長の機会を奪うことにつながる。
- 成長とストレスのバランス: 子どもは安心安全な場所で心が癒されるが、成長には「少しのストレス」が必要であると強調しています。できないことが克服できたり、嫌なことでもやってみたらできたという経験が、子どもの成長を促します。心のエネルギーが溜まって元気になったら、お手伝いなど「小さなストレス」を与えて、自分でできることを増やしていくことが大切です。ただし、心のエネルギーが弱っている初期段階では、まず安心安全な場で癒し、子どもの攻撃性などを鎮めることが必要です。
6. 親子関係改善の具体的なアプローチ
青山氏は、どんな素晴らしいスキルやメソッドも、親子関係が良好でなければ効果を発揮しないと語っています。
聞くことと共感
まず子どもの話を聞き、共感することが重要です。
- 「共感」の定義: 共感とは「私もそう思う」という同調ではなく、「あなたは今、そんな風に思っているのね」という子どもの立場や感情を理解する姿勢を指します。同調は時に子どもの不快感につながる可能性を指摘しています。
- 傾聴の重要性: 「オウム返し」のようなテクニックは使わず、最初から最後まで口を挟まずに子どもの話を聞くことが、子どもの心をすっきりさせ、親子の信頼関係を築く上で最も大切であると強調しています。
親の態度と信頼
親の言葉よりも「心」、つまり非言語的な態度を子どもは見抜きます。イライラした顔を子どもに見せることや、口先だけの言葉で安心させようとすることは、子どもの信頼を失うことにつながると警告しています。
夏の不登校への対処
夏休み明けの不登校の場合、理由を聞かずに一旦休ませ、子どもと向き合う時間を作ることが有効です。子どもが「明日学校に行こうかな」と言っても、次の朝に行けなくなるのは、夜と朝でストレスレベルが異なるためであり、どちらの気持ちも嘘ではないと理解することが大切です。
7. 子どもの発達段階に応じた心身の変化
青山氏は、子どもの成長に伴う心身の変化について、以下のように説明しました。
- 思春期の兆候: 女の子は小学校2~3年生頃、男の子は小学校3年生の終わりから4年生頃にかけて、不安やモヤモヤを感じる時期が訪れます。これは思春期の入り口であり、他者との境界線意識や、人からどう見られているかという感覚が芽生える時期でもあります。
- 嘘をつくことの意味: 4~5歳頃に子どもが嘘をつくようになるのは、自分という存在が他人の中にいることに気づき、他者の視点から自分を見つめ、印象を操作しようとする心の成長の表れであると説明しています。
- 身体的成長と心の成長: 足の痛み(成長痛)や息苦しさなどは、身体的成長期と心の成長期が同時に進行していることによって生じることがあります。特に女の子の場合、イライラしたり涙もろくなったりする感情の起伏は、半年から1年後に生理が始まるホルモンバランスの急激な変化によるものも考えられます。
- 不登校の原因: 不登校の原因として、過干渉や過保護による精神的な発達の遅れや、コロナ禍の影響で脳(精神性)が育ちきれていない可能性を指摘しています。
- 思春期をこじらせることの弊害: 思春期に問題を抱えると、それが大人になってからの困難に繋がることが多いため、思春期の子どもたちが幸せであることが非常に重要だと考えています。
8. 青山氏が提供するコミュニティと講座の全体像
青山氏は、子どもの成長を包括的にサポートするため、複数のコミュニティと講座を提供しています。
多岐にわたるコミュニティ
- 0歳~2歳児の母親向けコミュニティ: 妊娠期から始まる子育てをサポートし、将来の思春期の子育てや学力の土台作りを目指します。
- 幸せの親子塾: 青山氏自身が直接指導し、0歳から24歳までの親子関係改善を目的とした講座です。
- 不登校改善オンラインサロン「sottaku」: 不登校の子どもを持つ親のためのコミュニティで、不登校を「解決」ではなく「改善」することを目指します。
- みららぼ: キャリア教育と子どものメンタルコーチング、親へのコーチングをトータルで行い、不登校だった子どもたちが心をひらいて社会とつながることを目指します。
活動の理論的背景
自身のメソッドは、心理学、社会学、教育学の知見に加え、1000人以上の親子をサポートしてきた経験に基づいていると説明しています。幼児期の経験が思春期に、思春期の経験が大人になってからの自分に影響するという考え方を軸に、子どもの成長段階で起こる現象や対応策を詳しく解説しています。
9. 個別相談への回答の要点
ライブ配信中に寄せられた個別の相談にも回答しています。
- 担任からの「強調性」指摘と娘のいじめ: 担任の言う「強調性がない」とは、自分の意見をはっきり言うことの裏返しや、日本特有の同調圧力を指している可能性があると説明しました。娘さんが生徒会役員を務める人気者であることから、強調性がないわけではないと指摘し、3人組の女子のグループでのいじめは女子特有のバランスによるものであると分析しました。秋の不登校は運動会や修学旅行など、コミュニケーション能力が求められる行事で疲弊することが原因の一つとなる傾向があるため、親が子どもの疲弊を理解することが重要だとアドバイスしました。
- 中1の息子が学校から帰宅後に感情的になる事例: これは子どもが外で頑張ってきている証拠であり、親は黙って最初から最後まで子どもの話を聞いてあげることが大切だと伝えました。男子の「凶暴性」(うざく絡むことなど)は、遊びに見えても身体的・精神的な苦痛を伴ういじめになり得るため、親が適切な境界線を教えてあげる必要があると述べました。
- 年長の子どもの習い事での変化(集団→個人レッスン): 年長児はルールや決まり事が大好きで、社会規範意識が強いため、集団での周りの行動にイライラしやすい時期であると説明しました。自分の意思をはっきり言えるのは良いことである一方、子どもに合わせた世界を作りすぎると、その世界でしか生きられなくなる窮屈さが生じるため、程よいバランスが重要だとアドバイスしました。
- 不登校の息子への夫の厳しい態度: 息子が父親を嫌がるのは自然な反応であり、父親の厳しい意見は「親が寛容になりすぎないストッパー」として捉えることもできるため、うまく付き合っていくことが今後の人生に良い影響を与える可能性もあると述べました。
- 4歳児の箸の練習: 箸をうまく使えないのは、スマートフォンの使用増加などで指先を使う機会が減り、指の筋肉が育っていない可能性が高いと指摘しました。箸が「飽きる」のではなく「疲れる」のだと推測し、粘土遊びや泥遊び、雑巾絞り、折り紙など、指先を使った遊びを取り入れることを推奨しました。手を使うことは脳の成長に直結するため重要だと強調しました。
- 小学校3年生でお金の貸し借りが当たり前になっている子への対応: お金の貸し借りはしないことが絶対であると述べ、自分の家庭内でのルールを確立することの重要性を強調しました。他人の子どもを変えることは難しいという見解を示しました。
このライブ配信全体を通じて、青山氏は子どもの発達段階、心の成長、親子関係の重要性について深い洞察を提供し、親が子どもを理解し、適切にサポートするための具体的なヒントと心構えを伝えています。

